2012年5月26日土曜日

NCAA Tournament 2012 Quarter Final Duke vs Colgate

準々決勝最終戦。Duke-Colgate。

ColgateはPatriot Leagueを気合いで優勝し、トーナメント出場権をもぎ取り、一回戦で無敗の全体6位シードのU-Massを接戦で破った。

結果はDuke圧勝。粉砕。1Qこそ4-4だったが、相手を完全に把握した2Qに7-0で前半終了時11-4とし、最後は17-6(スコアボード)。なかなか準々決勝でここまでの大差の試合は珍しい。

Duke強し。穴が無い。そして言うまでもなく、#26 Rob Rotanz (Sr), #7 Jake Tripucka (Jr), #12 Justin Turri (R-Sr)のMF 1st Line 3枚がでか過ぎる&身体能力高過ぎる&上手過ぎる。こんなんLSM 3枚いないと止められる訳ねえ。このうち二人がShortyになると確実にそこから余裕で抜かれてぶち込まれる。

ほぼ全員が体育推薦で入って来るNCAA Division 1トップ校は、ある意味日本の感覚で言う所の体育推薦で固めている私立の体育会に近いイメージ。例えば早慶の野球部、明治や帝京のラグビー部、日体大のバスケ部、日大や法政のアメフト部みたいな(この辺の裾野の広さと選別の厳しさ、結果として残った素材のレベル感が日本の大学ラクロスとの根源的な違いだと感じる)。そんな中にあって尚最も「体育会感」で一歩抜きん出ているのはやはりACC 4校。更にその中で明らかに頭一つ出ているのが今年のDuke。今回の試合でも典型的な「素材の違い」を見せつけられた。

これでDukeは06年のレイプ冤罪事件後にHCがJohn Danowski氏になって以来なんと6年連続のFinal 4進出。ここ6年間では恐らく最も安定して成功しているチームと言うことになる。(優勝回数ではSyracuseが08、09に連続優勝しているが、一方で07年はトーナメント出場を逃し、10年は一回戦負け、11年は準々決勝負け、今年も一回戦負けなので、トータルではDukeの方が上だろう。)


ColgateのPeter Baum

一つだけ強く印象に残ったのは、'GateからTewaaraton Trophy最終候補5人に残っている#15 AT Peter Baum (Jr)。リーグ戦66得点、30アシストの脅威の96ポイント...。ダントツの得点王&ポイント王。NCAA上位校の選手たちの間でもやばいと噂になっていると聞いたが、見て納得。

解説者のQuintがPodcastで、ダッジのキレやシュートレンジ等の攻撃力はMark MillonやMatt Danowski、またはNed Crottyを彷彿させると言っていた。が、試合開始直後のプレーを見て確信。ホントだわ。「爆発的」ダッジ力、そして外から鋭く決められるシュート力。

が、その後Duke DFの徹底Face Guardに遭い、結局その1得点のみ。やはり一人だけ傑出した選手が中堅校にいるとこうなって止められてしまう...

が、まだ3年生。来年がある上、明らかにMLLで活躍出来る才能を持っている。これまでColgateにいたが故に殆どファンのレーダーに引っ掛かって来なかったが、今回で一気に名前が轟いた。今後が楽しみな選手。(MLLやUS代表では、U-Mass出身のMark Millon、同じくU-MassのKevin Leveille、そしてUMBCのBrendan MundorfやDrew Westerveltなど、実は名門校出身者以外で大黒柱として活躍するATも多い。)

Hot Bed以外の地域出身者

面白いのはBaumの出身がLacrosse Hot Bed(苗床/優良選手輩出地域)の東海岸Maryland州BaltimoreやNY州北部やLong Islandとは全く違う、西海岸の北、Oregon出身であるという点。

最近のNCAAラクロスでは本当にリーグのトップクラスに西海岸や中西部、南部、東海岸の南など、伝統的ラクロス地域ではないエリアからの出身者が尋常じゃ無く増え始めている。今年のNCAAトーナメントは正にそれを象徴するように、Oregon出身のBaumや、Florida出身のMaryland LSM Jesse Bernbardt、Georgia出身のLoyola LSM Latriff、California出身のVirginia #24 MF Rob Emery (Jr)ら、文字通り全米各地出身のエリートアスリート達が舞台の中心で活躍し始めている。

今アメリカで最も爆発的に普及/拡大しているスポーツであるラクロス。競技人口は過去10年で3倍に成長している。トップレベルの争いはより熾烈になり、高校強豪校、NCAA D-1、MLL、US代表とスクリーニングされて残って来る選手たち想像を絶するCompetitionとScreeningを経て、バキバキに磨き抜かれた 隙の無いアスリートになってきている。

最も強かったアメリカが最も進化しているというこの事実。そしてその進化/普及を意思を込めて、戦力的/意識的にやっているという恐ろしさ。

Final 4

さて、これでFinal 4は、Maryland vs Duke、Loyola vs Notre Dameの組み合わせ。

僕のFinal 4予想で当たったのはDuke 1チームのみ...

懲りずにまたここからのシナリオを予想すると
  • Maryland-Dukeは、気持ちとしてはMarylandを応援したいが、やっぱりDukeのDF力と地力でDuke。
  • Loyola-Notre Dameは、Loyolaに頑張って欲しいけど、やっぱりNDのDF/Gは鉄壁過ぎるのと、今年のNDははっきり言ってOFも強いので、ここはND。そもそもVirginiaに真っ向勝負で勝ってるし。
  • で、決勝は何と2年前の決勝の再現で、Duke-Notre Dame。多くのファンが「今年こそはND!」と盛り上がるも、意外とあっけなくDukeがボコって結構大差でDukeが再び勝って、2度目の優勝、と。Foxboroughの会場でしかと見届けたい。
てな感じじゃないかと。一番無難な予想だけど。LoyolaがNDに勝ったりするとシンデレラストーリーキターッになって俄然面白くなって来る。

また、もしMarylandがDukeを喰えば一気に「祭り」って事に。

ってことは、Tewaaraton Award (MVP) Raceは現時点で残ってるチームの二人、LoyolaのAT SawyerとDukeのLSM CJ Costabileの一騎打ち。Dukeが優勝すればCJと言う事に。もしそうなればTewaaratonの12年の歴史の中で初のDF選手による受賞。


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