2012年5月3日木曜日

NCAA 2012 Game Review vol.26 Duke vs Denver

先週MarylandとUNCを破ってACC Tournamentを制し、3位にまで上り詰めたDuke。今週はColorado州DenverにてInside Lacrosse主催のもう一つの集客イベント「Mile High Classic」で地元Denverと対戦。

QuintもPodcastで指摘していたが、「Upset Alert(格下による番狂わせ警報)」鳴りまくり。
  • Denverは現時点で16位で、これ以上負けるとAt largeでの(Division 1全体での順位に基づく)トーナメント出場が完全に消える。逆に上位のDukeを食えば一気に順位が上げられる。
  • Dukeは既にACCを制し、トーナメントの第一シードは堅く、モチベーションに欠ける
  • 加えて、Dukeは先週の金曜、日曜とACCトーナメントでMaryland, UNCと死闘を繰り広げたばかりで疲弊しており、加えて今回の試合は金曜で、中4日、レストと移動日を考えると、実際に練習出来たのは2日程度のはず。
  • しかも、Denverへの飛行機移動、2時間の時差、遅い開始時間、標高の高い場所でのカーディオ(スタミナ)の差など、やりにくい条件満載。
  • 加えてDenverは今最もラクロスが成長している市場。MLL Outlaws、NLL Mammothに加え、2年前Denver大学に元Princetonの伝説的コーチBill Tierneyが赴任した事で、地元民からの注目が高い。スタジアムのバックスタンドは一面Denverファンで埋め尽くされている。

と思って注目して見ていたら案の定。やられちまいました。

15-9でDenverが完勝。(スコアボード

いや、しかし、上記の理由だけでは説明出来ない要素もかなりあった。一言で言うと、明らかにDenverが良くなっている。

試合そのものは非常にレベルの高い、見所満載の満足の行く物。というか、見終わって思ったのは、なんでDenver今まで5敗もしちゃってたの...?全然Tournament上位進出有り得るじゃん...だった。

いくつか見所は、
  • DenverのWarriorによるGold Uniform & Gearがカッコイイ。
  • Duke正G #4 Dan Wigrizer (Jr)が、怪我か?スタートで出なかった。最初の2分でFOを取られ、ポゼッションを奪われ2点ポンポンッと取られ、一気にDenverに火が付いてしまった。そこからWigrizerに変えるも間に合わず。
  • Denverの正Gで守護神だった #16 Jamie Faus (So)がシーズン前半に怪我で離脱。その後負けが込んでいたので、控えのGがしょぼいのか?と想像していた。が、とんでもない間違いだった。急遽Red-shirt(上級生に上手い選手がいる場合一年生が敢えてやるリーグ戦棄権)を停止して参戦した#10 LaPlante (Fr)がかなり堅い守備を見せる。Fausと比べてそこまで大きく見劣りしないどころか、下手したら同じレベルなんじゃねえか?というセーブを連発。怒濤の16セーブに対して9失点。
  • 下級生が多く苦しいと言われていたDenverのDFが、明らかにシーズン初期と比べて改善している。Bill Tierneyコーチの指導の下、明らかに手堅い個人DF/チームDF、特にZone DFが出来ていた。
  • OFは、期待値越えだったのがNext John Grant Jrの呼び声も高い#22 AT Mark Matthews (Canadian, Sr, MLL 4位指名でDenver Outlaws)。もうこれは説明不要。5得点2アシストの7ポイント。ハイライト見て下さい。狂ってんわ。動きが。ありえんわ。注目される程活躍する男。
  • あと、他のCanadian軍団、そして#32 MF Chase Carraro (Jr)が感動的。Carraroは身長170 cm。NCAA D-1のフィールドでは小学生のように見える。出身もラクロス先進地域ではないKentucky州Louisville(ルイビル)。が、FOも異様に強くて(7-8割取ったか?)、トランジッションでの貢献も凄くて、DFも出来て、OFでのスカ抜きっぷりもシュートもやばい。最近NCAA D-1でこの手の身長170未満でクソ速い系の選手が活躍しつつある。小さい日本の学生選手にとっても勇気づけられる事が多い。Dukeの#31 AT Jordan Wolf (So), UNC #11 AT Joey Sankey (Fr), U-Mass #10 Will Manny (Jr) などなど。彼らに共通するのは、①異様に速い(Speed, Quickness, & Agility)。②手元の技術(stick skill)がしっかり。下級生の頃から安定してかなりのプレッシャーの中かなりの精度でのパスキャッチがこなせる。しょぼいミスはまず犯さない。③突き抜けた得意技がある(WolfのXからのCome around、Sankeyのシュートとカット、CarraroのFOとシュート)。④ハートが頭抜けて強い(一年生の頃から「俺が決めて勝たせる」気持ちが誰よりも強く、競った局面でも揺らがない)
  • Dukeはこれで10連勝でストップ。が、まあ、心配する必要はぶっちゃけ全く無いな。というか、ここで一回くらい負けて気合い入れ直すくらいが丁度いい。
  • さて、今後Denverどうなるか。相変わらずユニークなチーム。見ていて面白い。特にMark Matthewsらを始めとしたCanadian達の攻めには一試合に何度か度肝を抜かれる。来週Loyolaに勝てば一気にAt largeでのTournament出場が見えてくるのと、所属するECAC (Eastern College Athletic Conference)で優勝すればAQ(カンファレンス優勝校枠)で滑り込める。個人的にはまたTournamentを掻き回して欲しい。
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