2012年4月22日日曜日

STX training vol.01 Joe WaltersのStanding Shot Basics

2011年3月9日

ここの所、STXのYoutube channelで、非常に痒い所に手が届く、クオリティの高いインストラクション動画が多数アップされている。余りにも知的好奇心を刺激したので、いくつかピックアップして紹介。ど基礎を一歩越えた実戦的な内容のものも多く、特に入門編では扱われていない周辺部のスキルやティップスも扱っている点が有り難い。(あと、オープニングの曲が何かカッコ良くて好き。)

ばっくり、以下の様なカテゴリーに分けて。
  • シュート系
  • ダッジ系
  • パス/フィード系
  • オフボール系
  • ディフェンス系

まずは、シュート系からちょっとずつ紹介。

Joe WaltersのShooting Basics

先日のWall Ballの記事にも壁打ちのインストラクションを転載させて頂いたATのJoe Walters。Marylandで'03-'06に活躍し、'06 US代表、MLLではRochester/Torontoで活躍した後、現在はLXM Pro Tourに名を連ねる。軽くギャングスタ入ったオラオラ系のビジュアルと喋りだが、的確でシンプルな指導が印象的。実戦で培ったストリートスマートな考え方が感じられる。

この指導でも、ど基礎を一歩越えた、痒い所に手が届くコメントがいくつかあった。
  • 最も重要なのは、quick release。それを簡単にやるための方法は、そもそもボールをキャッチする前の時点でゴールに対して半身になり、シュートのスタンスを作っておくこと。
  • 体の後ろ側でボールをキャッチし、両足で最初からシュートのスタンスを作り、plantさせた状態(土台としてしっかり根を張らせた状態)で受け取り、即打つ。体の正面でボールをキャッチするのではなく。
  • そして、次にシュートに於いて重要なことは、ゴーリーに対してスティックを隠す事。これは見逃されがちだが、実は極めて重要。前の肩をターゲット側に向け、両肩のラインをしっかり後ろまで回旋させて、スティックを体の後ろに背負い、ゴーリーから見えないように背中で覆い隠す事。
  • 多くの選手が犯しがちな典型的な間違いは、シュートを打つ前から肩をゴールとゴーリーに対して正対させた状態で打ってしまうというパターン。これだとゴーリーがスティックとボールの軌道を最初から見る事が出来てしまう。
  • なので、しっかり肩を回し、スティックを肩と背中でゴーリーの視線から隠す事。
  • そして、最後に重要なポイントは、打つスポットを毎回変える事。最初は上、次に下、次にoff hip(腰の横)、バウンド、と、一試合の中でも必ず毎回打つ場所を意識的に変え、ゴーリーが、「次はどこ打ってくるんだ!?」と予想せざるを得ないないようにしろ。(「はい、どうせいつもの左上ね。」で取られるのではなく。)

いろんなTime & Room(日本語で言うところのスタンディングシュート)のインストラクションで、より早く/速く打つためのフォームの指導はよく見るが、ここまでexplicitにゴーリーとの駆け引き、特にスティックを隠す事の重要性を語っているものは珍しい。

至近距離でのGoalieとの1 on 1では駆け引きの事を意識することは多いが、ことミドル/ロングレンジになると単純にどこを狙うか、いかに早く/速く打つかだけに集中してしまい、ついついGoalieの視点から如何に騙すか/セーブしにくくするかの工夫を疎かにしてしまうケースが多い気がする。

特に、このシュートを打つべきスポットを意識的に打ち分けるという考え方はNCAAのトップ選手、MLLの選手のインストラクションの記事等でも何度か見かけたことがある。特に上位チームのポイントゲッターになればなるほど試合のビデオを見て相手ゴーリーに研究されるので意識的にやらざるを得ないんだろう。

また、恐らくインドアのNLLの選手たちの「え?あれで入るの?」というミドルシュートが入るのにはこの辺の隠れた技術もあるように見受けられる。

この辺もアメリカのラクロスの現場レベルでは上手い選手達は当然の知恵としてやっているし、技術として伝承しているんだろうが、こうやってインストラクションでパブリックに語ってくれるのはそう頻繁にある訳ではない。非常に有り難いし、勉強になる。

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