2012年4月6日金曜日

NCAA 2012 Game Review vol.17 Johns Hopkins vs North Carolina

先週Virginiaに勝ち、堂々の無敗の1位の座に着いたJohns Hopkins。今週はFace Off Classicに続いての集客試合、NY州、NY Cityの隣New Jerseyにて行われた毎年恒例のBig City ClassicでNorth Carolinaと対決。UNCはここまで紹介して来た通り、turn overの多さとDFの不安定さに苦しみ、3敗を喫し14位。

個人的に、Johns Hopkinsが派手にUNCをボコって終わりと思っていた。

が、何と。やはりNCAA Lacrosseは侮れない。言っても高いレベルでギリギリの所で拮抗したチームが犇めいており、上位チームと中位チームの差も決して絶対的な物ではない。

何とほとんどのラクロスファン&メディアの予想を裏切り13-9でUNCが堂々の勝利。JHUに今シーズン初黒星を付けた。Score & stats

なぜ勝てたのか?ぱっと見て印象に残っている点をガッと吐き出すと、
  • UNCがFace offを完全に支配。過去にも再三紹介してきたが、US代表FOGO (Face Off and Get Off)Alex Smithの弟子、#25 RG Keenan (So)がFace offの鬼としての本領発揮で、UNCが25本中18本、実に72%を支配。引くぐらい強い。ギャグかってくらい全部勝った。要は、プレーそのものを見た感じJHUよりもUNCの方が明らかに強いようには見えなかったが、単純に「JHUが攻める時間がほとんど無かった」ピリオド。って感じだった。このラクロスというスポーツに於ける根源的な歪み、得点後もFOを取り続ければ、理屈上相手に全く攻めさせない事が可能、という「公知の抜け穴」を完全に搾取しきった。ラクロスというゲームに於いて、如何にFace Offが重要かが改めて解る試合。Face offをやっている選手に取っては相当参考になる試合である事は間違い無い。笛のタイミングの読み、技の引き出しの多さに加え、かき出しのタイミング、角度、視野、書き出し後の爆発力と拾う力。あらゆる点で強さを遺憾なく発揮した。ここまで見て来てよーく解ったが、現時点では、明らかに相当大きな好不調の波がある。本人の調子なのか、審判によって笛の読みのタイミングがハマるかどうか、イリプロをどれだけ厳格に取るかどうかが違うだけなのかよく解らんが。ハマったら止められないのは間違い無い。

  • 過去の試合で散々文句をたれまくって来た点の一つとして、HC Joe BreschiとOF Coach Meyersがいろいろ優柔不断に試すが故にOFのメンツが固まっていない事、結果としてchemistryが生まれず、アホみたいにturn overが多い点を上げたが、先週のMaryland戦以降、どうやらコーチ陣も腹を括ってバチッと固めたらしい。上級生転校生軍団は差し置き、大胆にリスクを取って、#1 Marcus Holman (Jr), #4 Jimmy Bitter (Fr, Billy Bitter弟), #11 Joey Sankey (Fr, ちびっ子)の3枚で完全に固め、転校生2枚(#5 Davey Emala [from GeorgetownエースAT]、#16 Jack McBride [from PrincetonエースAT])は、超贅沢にもOFMFでピンポイント使い止まり。上級生AT 2枚、脚の怪我上がりのエース#42 Nicky Galasso (So)と#2 Thomas Wood (Jr)はこれまたEMO限定使い。クソ贅沢なピンポイント使いに出て来た。が、それが恐ろしくハマっている。全米トップ新入生AT 2人のBitter/Sankeyの二人の突破力が半端ねえ。そして、何気にミスしないし、普通にATとしてのレベルが上がっている。確実に全体のOFが噛み合い始めている。
  • #4 Jimmy Bitterが、遂に牙を剥きつつある。去年この試合、この会場で兄のBillyはスピードスターとしての真価を遺憾なく発揮し、怒濤の4得点。今回は弟が兄の再来かと思わせるキレキレダッジでHopkinsの大型DFに対して"ankle breaker"(足首折り)の鬼change of direction。兄に継ぐ3得点。しかもミドルシュートもかなり巧い。直感的にもしかしたら弟のJimmyの方がBillyよりも全体の完成度が高く、ATとしての能力は上かも知れないな、という気がして来た。会場が「うおおおっ!!」と鳴るのが解った。見るものの目を釘付けに出来る数少ない才能を持った選手。
  • ちびっ子Sankeyも引き続きウメエ。マジで、この選手はかなり「巧い」。あとこの電光石火のスピード。止めろって方が無理だ。半端無くキレてる。
  • EMOの決めプレー。トップでflip fakeしてクリースに投げてWoodが決めるプレー。マジで痺れた。過去に見て来た数あるNCAAのEMOフォーメーションの中でもトップクラスに「かっけえ」...解説者のQuint曰く来週末全米で多くの高校生チームが早速パクってやりまくるはず、との事。
  • あと、シーズン前半泣きそうに頼りなかったDFが、ここに来て安定感を増して来ている。Close DF(ボトム)も連携が良くなって来ており、無駄にアグレッシブなチェックや角度マネジのミスが減り、しっかり脚で着いて行き角度で守る、保守的で手堅いチェックしか投げない、という基本が徹底出来ている。あと多分shorty DFがいい気がする。
  • あと、Canada U-19でBrodie Merrillらの教え子、Hill Academy出身の#12 MF Tutton (Fr)とか、その辺のこれまで脇役だった選手たちが徐々に眠った力を開花させつつある。
  • もし、UNCがこのパフォーマンスを今後毎回発揮出来たなら、まじめな話優勝が狙えるチームという事になって来る。ま、実際にはそうは問屋が卸さない訳だが...が、一つ確実に言えるのは、このチームの今の柱の1-2年生が上級生になって来る来年、再来年。水色がFinal Fourの舞台、Memorial Day Weekendのフィールドに立っていても全く違和感が無い。
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