2012年4月30日月曜日

STX training vol.05 Brett HughesのLong PoleのStick Skill

2011年4月5日

痒い所に手が届く実戦的なSTX Training Seriesから引き続き抜粋。これも非常に生活の知恵として参考になるなと思ったやつ。

VirginiaでAll American、現LXM PROコアメンバーのBrett Hughes(ブレット=ヒューズ)のLong pole(ロングスティック)のスティックスキル。相変わらずこの人ワイルドでカッコいい。STXのBio

リンク


以下抜粋。

常時投げられる位置にスティックを持つ
  • クリア時のスティックスキル。如何にATのライドのプレッシャーを交わしてボールをバックコートからフロントコートに運ぶか。
  • とにかく一番大事な事は、出来るだけスティックを常にパスを投げられる状態/位置に持っておく事。
  • なぜなら、ボールを貰いに来るMFが空くのはほんの一瞬。常にスティックを肩の位置に掲げて、常時パスを投げられるようにしておく必要。

Option 1: Roll back
  • クリップであるように、ATのBrendan Mundorfがプレッシャーをガッと掛けて来る。
  • 多くの若い選手がそのままfight through(気合いで抜く)しようと、左手の片手一本になってサイドライン際に走りきろうとして、ATの思うつぼにハマってザックリ落とされる/押し出される。
  • 一番簡単な対策は、大きくRoll Backして引き返し、自らスペースをクリエイトし、余裕のある状況で逆サイドでがら空きになっているゴーリーやLong poleに投げるというアプローチ。
  • 単純にちょこっとダッジしてすぐ片手になっちゃうということはやっちゃダメ。

Option 2: Face Dodge Moving Up Field
  • 2つ目のオプションは、フェイスダッジで抜いて行くこと。が、注意点が。
  • Walking a dog(犬の散歩)状態と呼ばれる、片手でブラーンとスティックを長く持ってサイドライン際を走る状態は最も無防備でやられ易い状況。これは出来るだけ避けたい。
  • 問題は、片手でパスが一切出来なくなってしまう事。これだとATの思うつぼ。(ラクロスを始めた頃は何となく玄人っぽく見えるかな?なんて勘違いしてついついやっちゃいたくなる気持ちも理解出来なくも無いが...)
  • なので、(安心感のある)利き手でフェイスダッジのように、利き手のまま、両手のまま、フェイスを切って一回相手をちゃんと抜く。
  • で、一回抜いてスペースが生まれた状態で逆の手に持ち替えて、余裕のある状態で空いたMFに確実にパスを出す。
  • これだと走りながら、相手とのスペースがある状態で投げられるので、大分楽になるはず。
  • ポイントは、抜く時は無理していきなり左手にスプリットで持ち替えて抜くんじゃなく、安心感のある右のフェイスダッジで一回抜き、(でも当然そのままじゃ投げられないので、)余裕が出来てから左に持ち変えるという点。
  • (→まあ、もちろん、ハーフラインを越える間際で、完全に相手ATとの1対1の状況で最後のtrail checkを背中で受けて交わしたら終わり、みたいな状況だったらそのまま片手になって走りきった方がいい、等のシチュエーションはあるだろうから、究極的には状況次第って話なんだろうけど。要は無駄に片手になるなってことですな。)

なるほど、Brett Hughesほどの上級者でもこういう安全策を取っているのか...勉強になる。クリア時にプレッシャーの強いライドと対峙した時にあわわわわドッカーン!となってしまうDFの選手には多少参考になるかも。

あと、言及はしていないが、実演を見て気になったのが、スティックを結構短く持っている点。エンドを相当余らせ、Upper handも結構ヘッドに近いところを持っている。彼なら恐らくリーチは200cmはあるはずだし、スティックスキルも相当あるので、やろうと思えばエンドを持つ事も十分に出来るはず。でも敢えて短く持ってコントロールと安全性を重視している。エンドを叩かれるリスクよりもスティックコントロールアップを取っていると言う点。保守的に確実性を重視するクリア時ならではの選択。

あと、またしてもいつものflip side of the coin(裏側の視点)。ATからすると、逆にこの辺の動きを身体で覚えてないDFを相手にした時はしめたもの。Walking a dogを作らせちまえばもうパスは出来ないので、こっちのもんって訳だ...また、最低限ロールする事ぐらいは知ってる相手でも、ある程度ロールを読んでロールした瞬間に更にねっちゃり脚で着いて行ってやらしくプレッシャーを掛け、ついでに投げる瞬間にボトムのグラブにこっそり小さいリフトとかサクッと入れちゃって、パスミスを誘発させるってのもありか。相手が「あわわわっ」とパスミスして「おいっ!何やってんだよ!」とかベンチから言わせちゃったり出来ると、Sっ気の強いATにとっては実はスティックチェックでシバくよりも深みのある快感が...

2012年4月29日日曜日

STX training vol.04 Steven BrooksとKyle HarrisonのShooting out of a dodge(ダッジからのランニングシュート)

2011年3月18日


Steven BrooksとKyle HarrisonのShooting out of a dodge(ダッジからのランニングシュート)

これも、実戦的なことに加え、body-typeとplay-style、及び状況や相手に応じて使い分けられる種類の異なるランニングシュートの技術が紹介されていて面白い。



Steven Brooks: Leanして気合いで打つ
  • ちなみにSteven BrooksはSyracuse '08の優勝メンバー。その後Chicago Machineで活躍し、現在はLXM Pro。2010年のUS代表入りも期待されていたが、怪我で断念。2014年を目指したいとのこと。
  • DFに並走された状態での自分の得意なシュートを紹介。
  • Splitでoff handの右手から、strong handの左手に持ち替えつつダッジ。
  • DFはセオリー通り走りながら外にpush outしてくる。
  • その時に、流されずに、相手に対してleanする(寄りかかる)。何故ならpush outされてシュートアングルを失いたくないので。
  • その時に大事なのは、腕を体から離すこと。体の前側にプラプラ出しちゃうとリフトされちゃうので。なので、ボトムハンドをpunch outする形で、可能な限り後ろに伸ばして、手を体から離して、で、そこから相手のスティックチェックを「オラァ!」と力で押し切る形でグイッと打ち切る。
  • (→これも非常に面白い。相手を抜ききらなくても、並走した状態でシュートを決める技術をここまでちゃんと切り出して解説してくれてるのは珍しい。より実戦的。それもやはり何も考えずに出来る訳ではなく、意思を込めて腕とスティックを後ろに背負い、離す事でチェックを防ぎ、その後は力で押し切るという考え方。特にBrooksの場合はサイズがあり、leanが有効に使えるパターン。相手とのサイズ/パワーの差がある時は使いたい。)

Kyle Harrison: Step away and create separation
  • Kyle Harrisonの説明は不要だろう。Hopkins '05を優勝に導き、MLLで活躍。'06 US代表。
  • こちらはまた別のスタイルとやり方。
  • "Creating separation"(間合いを作る)の技術。
  • ダッジ後にDにタイトに付かれてる状態だと、そのまま無理して打つと当然チェックを受けてフォロースルー出来ず、上手くシュート/パス出来ない。
  • 従って、一つのアプローチは、ダッジ後の直線的な動きから、外側に数歩step awayしてDとのスペースを作り、手にチェックを受けない状態を作り、ベストなシュートを打つ。
  • (→Kyle Harrisonの場合Brooks程サイズが無く、一方でより器用でアジリティがある。相手にサイズ/パワーで負けていて、スピードで勝てる時はこっちの動きの方が効果的。)

にしても、こうやって二人ともかなり状況に応じて相当考えながら、技術を意識化してやっているんだなということが良く解る。まあ、二つを相手と状況に応じて使い分けられるようになればベスト。まずは自分の特性に合ったパターンから極めるって感じだろうか。

2012年4月28日土曜日

STX training vol.03 Anthony KellyのPower Shooting

Anthony KellyのPower Shooting

Anthony Kellyは(先日[2011年3月]North Carolinaをアプセットして一気に名を上げた)Ohio State出身のFOGO/MF。NLL/MLLでも活躍。去年までChcago Machineで、現時点ではRochester Rattlersのrosterに名を連ねる。非Hot bed出身/非強豪大学チーム出身でMLLで成功するような選手は、往々にして、単に能力が高いだけでなく、頭が良く、自分自身で自分をコーチする能力に優れているケースが多い。地元Ohioの高校でコーチをしており、指導方法が非常に解り易い。


ここではTime and room shooting(日本の和製ラクロス英語で言う所の「スタンディングシュート」。実はアメリカでは「Standing shot」という言い方はほとんど聞いた事が無い。)を解説。特に、どうやってpower & speedを生むか。
  • まず、一番大事なのは、野球のピッチング、footballのQBのthrowingと同じ。しっかりと全身を使って、体全体を連動(unison)させてパワーを生む事。
  • パスを投げるときと違い、敢えてスティックを長く持て。自分の場合トップハンドをかなりボトムハンドに近づけて持つ。(→この点、Millonのやり方と違う。)
  • 腕を出来るだけ体から離し、高く上げろ。よくジュニアの選手に言うイメージとしては、体とシャフトの間にいくつかのバスケットボールやバレーボールを入れるイメージ。
  • Butt endをターゲットに向けることで、更に大きくスティックと体の距離を取り、最大限のパワーの溜めを作る。
  • そして、野球のpitching/footballのpassingの要領で、後ろの軸足に乗った体重を一気に前脚へと乗せて行く。この時の感覚は、Steven Brooksの言葉を借りると、「Squash the bug」つまり、虫を前脚でズブシュッと踏みつぶす感覚。(→面白い。この身体感覚の表現。確かにこの感覚を持つと、前足にドンッ!と思い切り体重を乗せる感覚が良く解る。一年生を教える時等に有効かも。)
  • Torque(捻転)した体を一気に巻き戻し、リリース/フォロースルーに繋げる。
  • トップハンドはガイドハンドとして方向性を定める役割。ボトムハンドはpull throughしてパワーを生む役割。
  • バリエーションとして、over-hand, 3-quarter, side-arm, low-to-highなどを身につける。
  • ただ、その中でも特にover-handを最も練習する事。最もconsistent(一定/安定)なのと、最もパワーを伝えられるので。
  • 彼のお手本を見てよく解るが、非常に効果的に体の捻転を使い、スティックがムチの様にしなっている

2012年4月27日金曜日

NCAA 2012 4/23 Nike Top 20 Poll

Inside Lacrosseの今週時点でのMedia Poll(メディアによる投票に基づいた順位表)。(リンク

さて、レギュラーシーズンも残す所あと2週間になり、いよいよ16チームによるNCAA Tournament出場権を掛けた争いが熾烈化して来た。

引き続き無敗のLoyola, U-Massが1-2位。

Loyolaは何と開幕前21位のランキング圏外だった。それが2週連続の一位にまで上り詰めた。一個下の会社の同僚がLoyolaのUndergrad(大学)出身でラクロスファンだが、母校ながら全く期待していなかったためビビっているとの事。そらそうなるわな。今週末Baltimoreの地元Hopkinsとの試合。もし勝てば文句無しの1位。

U-Massは今週末Delaware。決して弱い相手ではないが、まあ、負けないだろう。

Notre Dameがやはりじわりじわりと順位を上げ、4位にまで登って来た。今週末死に体のSyracuse(17位)と。

ACCトーナメントで共にMarylandとVirginiaを破ったDukeUNCがグッと順位を上げて来ている。応援しているUNCは、現時点で5位。上手く行けば1st seedも有り得るし、2ndになってもいい感じでLoyolaかU-Massの山に入ってコロッとFinal 4行ってくんねえかなー、なんて都合いい事を考えてしまう。

先週末は相当数のUpset/意外な負けが起こった。
  • Hopkinsがもう一つのMaryland州内のライバル関係、Navyとの試合になんと2-8で破れる。Navy Gが神懸かったらしい。が、シーズン前半あれだけ勇ましかったHopkinsがここに来てグラングランに揺らぎ始めている。
  • Syracuseは同じBig East内のGeorgetownに黒星...解説者のQuint曰く「Turnover Machine」。ミスによる自爆が首を絞めているとの事。シーズン前半は弱い相手に何とかなっていたが、やはりここに来て去年7人のAll American 4年生を失ったリバウンド、経験不足が明らかに出ている。
  • MarylandはACCトーナメント準決勝にてDukeに1点差で敗れレギュラーシーズンの復讐を受ける。
  • VirginiaはUNCに同じくACC Tでアプセットを喰らって3敗とし、6位に転落。
  • どうしちゃったDenver!!!去年のFinal 4。プレシーズンでは5位。今週はFairfieldなんぞ(失礼)にOTで負けてこれで7-5の16位。このままだとTournament出られないというまさかの結果に。もちろん正G Fausの怪我での脱落の影響もある。今週末ホームでDukeとなので、これに望みを託すパターンか。勝てれば一気にグッと順位を上げられる。標高のあるコロラドで、DukeにはACCトーナメントの疲れに飛行機移動や時差のやりにくさがあり、チャンスは充分にある。
Source: Inside Lacrosse