2011年5月22日日曜日

NCAA 2011 vol.42 Tournament 1st Rd Siena @Syracuse

の前に一瞬軽くショッキングなニュース。MCLA(非NCAA)のアップデート。先日来年からのNCAA Div 1参戦を発表したMichigan。今週はMCLAのトーナメントがColoradoで行われている。ここまで全勝街道を走り、無敵の四連覇が予想されていたMichiganが、Semi-FinalでArizona Stateに一点差の惜敗。

ショックだ。前人未到の四連覇を成し遂げ、歴史を刻んだ上で華々しくMCLAを去り、NCAAに気持ち良く移行するんだろうなと予想していた。

が、見方を変えれば、やはりそれだけMCLAの他校のレベルが上がっているということだ。特にこの辺のArizona、Colorado、Texas辺りは、LXMのメンバーがやっているAdrenarineキャンプやジュニア向けのStarzの影響もあり、ものすごい勢いでジュニアが育っている。結構な人数をNCAAの上位校にも送り込み始めており、おそらくその受け皿から洩れたそこそこ強い選手達がこの辺の学校でレベルの高いラクロスをやり始めていると言うことだろう。(あと、結構Canadianが数人ひょこっといたりすると一気に話が変わってくるという面も。)

以前書いた記事で、「MCLA全体のレベルが結構まっとうになっている」「その中では間違いなくMichiganはダントツで強い」というArgumentを述べたが、前者が思った以上に早い速度で起こっており、結果、後者が相対的に薄まったと言うことか。

Michiganの選手やコーチ、関係者の皆さんも強いショックを受けているんじゃないだろうか。ま、バチッと切り替えて、NCAAでの戦いに向けて備えていくしかないんだろう。

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NCAA 1st round game 8: Siena @Syracuse

一回戦のラスト。8試合目。去年一回戦でホームコートのCarrier DomeでArmyにまさかのアプセットを喰らったCuse。今年は、結果的にはきっちり締めました。10-4。

が、ぶっちゃけちょっとヒヤヒヤ。3Q後半まで4-2のロースコアの展開。会場やTVの前のファン達の頭に去年の悪夢がよぎった。DFが鉄壁なので点は取られないが、OFがいまいちハマらず、いいシュートが打てない時間がずーっと続いた。加えて、SienaのGoalieが実は非常に強く、かなりのシュートを止めていた。まあでもシュート選択と精度が悪過ぎたってのが大きいか。Syracuseの右脳オフェンスだと、ハマると爆発するが、パッとしないとホントパッとしない...

後半に入って#9 MF Amidon、#14 AT Palasek、#28 Keogh、#22 MalascoらFire power満載のオフェンスが炸裂。Syracuse 4年生七人侍がいつも通りチームを牽引しての勝利。

でも、今日の前半のこのパフォーマンス、出だしのグズグズ感だと、非常にまずい。Quarter Finalで確実にMarylandにやられちゃう。Maryland戦では出だしから爆発するパターンに期待。

個別のプレーで印象に残っているのは...

2Q Cuse 3点目、#14 Palasekの、ゴール右前5 & 5での1 on 1からのDFを背負ってスルッと決めたシュート。Dino (Matt Danowski)がWarrior Pro Sessionで言っていた「初心者ATの典型的な勘違いは、『相手を抜かなくちゃシュートを決められない』という誤解。抜く必要ない。スティックを振れる間合い(separation)があれば、または一歩ずらせば、簡単にシュートは決められる。むしろ相手がスクリーンになって決め易くなる面すらある」というコメントが思い出される。

同じく2Q 4点目。#15 G Gallowayのセーブからoutlet passの早さ/速さ/正確さ、そこからの電光石火でシュートまで。Run & Gunラクロスここに極まれり。

一回戦8試合を通じて感じた事

しかし今回トーナメント一回戦を見て感じ単純な観察事実だが、実は地力に差があるケースでも、結構前半は格下チームが必死で食らい付いて意外とリードしたり接戦を演じたりしている。特に開始直後の奇襲攻撃でF/Oを制してそのまま速攻、みたいなのがポンポンッと決まるケースが結構多い。が、結局後半になってフィジカルの差、層の厚さの差、疲れた中での集中力やプレーの精度/完成度の高さがじわりじわりと出て、試合終了時には思った通りの大差のゲーム、という形になるケースが非常に多いことに気付かされた。特に差が出るのが、クリア/ライドの成功率とグラウンドボール支配率、あとファウル。

AQ (Automatic Qualifier)枠による競技普及/発展加速

ちなみにSienaはMAACことMetro Atlantic Athletic Conferenceを制してのautomatic qualifier枠での出場。これ、初めてNCAAトーナメントを見た時に一瞬「どゆこと?」となるのでちょこっと解説。NCAA Men's Lacrosse Div 1のトーナメント出場は16チーム。うち10チームは上位校。残りの6枠はNCAA Div 1を構成する9つのリーグのうち、下位リーグから優勝校を選ぶことになっている。

ファンの中にも「そんな弱い学校出さずにとっとと上から16チームでトーナメントやったがいいだろ」という人もいるが、これはラクロス全体の発展のための戦略的な仕組み。新興校や弱小校であっても少なくともトーナメントに出場する権利を優先的に与えるという是正措置。それにより新しい/弱いチームでも強豪を倒すチャンスを与えられ(まあ、めったにないけど)、少なくとも全米のラクロスファンの目に触れる機会を与え、知名度を底上げし、リクルーティングで多少有利になるようにするというやり方。これが無いと強い所は強くなる一方で、新興校が育たず、裾野が広がらず、長期的に見て競技としての成長を妨げるので。

まあ、実際10-4というスコアは25-3とかとは違うし、前半終わって4-2の場面を見ると、実際にかなりいい線行ってる訳で、「お情け」チャンスだけじゃ決してない結果になりつつあるが...

日本でもレベル/成熟度に関わらず各地区から代表を募って学生日本一を争うので、近い面はある。または、更に3部リーグ代表、2部リーグ代表がプレーオフ一回戦で1部1-2位と対戦する、みたいな感じだろうか。これをやると3部の選手達のモチベーションが俄然高まるはずなので。仮に3部のチームであったとしても、新勧の際に「うちは3部だけど、そこで優勝して1部のチームを倒す下克上狙ってんだぜ」と言えるのと「2部昇格が目標です」では、アグレッシブで能力の高いアスリートへの刺さり方が全く変わってくる筈。結果、満遍なく日本全体のラクロスの底上げが出来るっていう。

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