2011年5月24日火曜日

NCAA 2011 vol.44 Tournament Quarter Final Johns Hopkins vs Denver

引いたわ...マジで...Denverのガチさ加減に...予想を思いっきり裏切ってくれた。真っ正面からぶつかって、Hopkinsを完全に黙らせた。信じられん。鳥肌立ちっぱなし...試合が終わって、インタビューに答えるHC Bill Tierneyの声が震えているのを聴いて、目頭が熱くなった。信じられん。Denverが。西の果てのDenverが、Bill Tierney就任2年目にして、遂にFinal Fourに駒を進めてしまった。これでDenverはアメリカ西部としては初のFinal Four進出。新たな歴史が刻まれた。

(土曜の2試合、VirginiaがCornellに勝って、DenverがHopkinsに勝つっていう両方を予想出来てたファンは恐らくほとんどいなかったんじゃないだろうか。去年に引き続き今年も僕の予想Final Fourは早くも崩壊。つか、予測不能過ぎでしょ...これだからやめられない。NCAA Lacrosse。)

Princetonに就任して弱小チームをturn aroundし、6回制覇に導いたTierney。Denverへの移籍を発表した時はラクロス界に衝撃が走り、一部のファンからはあからさまに「狂ったか!?」と言われた。DenverのAthletic Directorとの約束では、5年くらい掛けてじっくりFinal Fourを狙えるくらいになれれば、まあ嬉しいね、だったらしい。それが...たったの2年で...彼がLiving Legend(生ける伝説)と言われる理由がよおおおく解った。

何でDenverが勝ったか

試合を見て、本当に感動させられた。強い。やってるラクロスの質が高過ぎてマジで引いた。特にOF。Canadianの強い個人技はもちろんなのだが、全体が極めてsolidだ。スペースをよーく解った、理詰めで恐ろしく効率的な攻めをしている。これかと。これがコーチの違いなのかと。
  • 一番感動させられたのは、彼らのpoise(落ち着き)。初めてのplay-off準々決勝とは思えなかった。終止、目の前のこの試合に確実に勝つ、というミッションに完全に集中出来ていた。先週リードを守れず浮き足立って自滅したBucknellとは対照的に、試合終了が近づくに連れむしろ頭が冷えて行き、冷静に、冷徹に勝利のための機械になりきる、フローそのもののメンタルを見せつけられた。Hopkinsの名前や歴史なんて関係無い。自分たちは自分たちのやって来た事を出すだけ。自分達はそれだけの準備を尽くして来た。「これ勝ったら俺らMemorial Day Weekendで6万5千人の観客の前でプレーする事になるぞ?」なんて考えちゃったら試合中にスティックの持ち方が解らなくなっちゃったりしそうだが、決して考えていない(多分Bucknellはそれを考えてグラングランに揺らいじゃった)。目の前の、今やるべき事に集中。「そうすれば、自分にふさわしい結果は自動的に着いて来る」。正に王者のメンタルだろ。これ...
  • DFも良かった。ATからの崩しが弱いHopにとって、Beast軍団のMFからの崩しが肝だが、man-toで結構頑張り、鬼早スライドと的確なダブル&カバーで、ことごとく攻撃の芽を摘み取った。Hopkinsが攻められずに右往左往する時間が多かった。Bill Tierneyの息子Trevor Tierneyによる相当徹底したDF規律の叩き込みが奏功している。
  • あと、個々の選手のプレーのレベルが本当に高いのがいくつかあった。必ずしもでかくない。でも、鋭さ、大事な瞬間での一瞬の強い輝き、勝負強さ、落ち着き、全てに於いて非常にレベルが高い。
  • Goalieの1年生、Fausがimpressive過ぎ。Point blank (至近距離)からのHopkins #42 AT Kyle Whartonのシュートをクソ涼しげな顔でサクッと捕球したのにはマジで引いた。
何でHopkinsが負けたか

あとは、まあ、正直ちょっとHopkinsがらしくない面を結構見せてしまった。Coach Petroが切れを通り越して、呆れた顔が何度も画面に映った。
  • DFが明らかにおかしい...何でスライド行かない?意図的に行ってないのか?コミュニケーションミスで行けてないのか?なんで?まあ、DenverのOFのスペースの作り方が洗練され過ぎてて、そしてCanadian Taste満載の変幻自在の動きと連動がトリッキー過ぎて若いJaysには荷が重かったのか。
  • OFも、得意のMFからの崩しが使えない中、攻め方が解らなくなってしまっていた...#9 John Greeley、#31 John Ranaganの強力MFコンビも、崩せなかった時に、次の打ち手が継げずにもう一回仕切り直し、となってしまっていた。
  • あと、Denverと対照的に、若いJaysは2Qにガッとリードされた後、完全にメンタルが揺らいでしまっていた。セルフイメージの大きさが明らかに1Qと後半で違う。「何でこんなにやられちゃうんだ?」「負けちゃうのかも...」という思考が意識的に/無意識に頭の中をぐるんぐるんに駆け巡っている。まあ、若いし、今回これを学んで来年以降修正されてくるだろう。主力ほとんど1-2年生だし。

西の隆盛、Canadianのインパクトという最近のラクロスの潮流を体現

にしてもまあ、すげえよ。NCAAラクロス。こんなんシーズン前に誰が予想出来たかねって話だ。アメリカの西側が熱い。去年のNotre Dame以降一気に。今後Michiganが来て、Marquetteが来て、恐らく西海岸辺りのBig Nameの学校も参入を考え始めるんじゃないだろうか。DenverのRosterの中には東海岸だけではなく、アメリカ全土からの出身者がいる。全米に散らばる多くの高校生選手たちに夢を与え、彼らの成長を加速させるだろう。

そして、このDenverの躍進の、Bill Tierney以外の要素で決して忘れてはならないのは、Canadianのインパクト。4人のカナダ人達が全く違うラクロスを作り出している。クリエイティブというか、ユニークというか、ダイナミックというか、一目見て「なぬっ!?」という空間/フィールドを作り出している。なので、見てて単純に面白い(Hopkinsの超保守本流のフィールドラクロスの教科書的攻めと対照的)。Bill Tierney自身、この2年でDenverのCanadian達を見るようになって、逆に彼らから学んでいると言っていた。Tierneyという王道のフィールドラクロスの戦術と、Canadianのセンスと技が融合することで、新しい化学反応が起きている。OFコーディネーターとしてオフェンスを率いるのは、2005年の卒業生でDenver OutlawsでプレーしてきたMatt Brown。彼自身もCanadian。彼が造り出す新しいスタイルのラクロスには今後も注目。

今シーズンになって何度か紹介しているCanadianの流入加速の話。NCAAの上位レベルでの力学を完全に破壊しつつある。(記事①記事②

来週のM&T Bank StadiumでVirginia相手にどういうプレーを見せてくれるのか、楽しみ過ぎる。

ギア

あと、小ネタで、HopkinsのNikeクリーツが新しくなってて、ギア好きの僕的にはなかなか見てて盛り上がるものがあった。NikeのHuaracheとZoom Vapor。(リンク

IL Highlight

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